これまで人は様々な道具や機械を発明し利用することにより,人間の能力を飛躍的に高めてきた.これらの道具や機械は,切る,書く,運ぶなどそれぞれの利用目的があり,その利用目的にあわせて改良され進化することで,人類の文明を支え高度に発展させてきた.しかし,20世紀に発明されたコンピュータはこれまでの機械とは全く異質なものであるといっても過言ではない.ENIACは大砲の弾道を素早く計算する目的をもったまさに計算機械であったが,時代の流れと共に人々のコンピュータに対する認識は,万能文房具,人工知能,コミュニケーションメディア,そして社会を支えるインフラストラクチャへと変化していき, 現在,コンピュータを計算するための機械と考えている人はほとんどいないであろう. 6群ではコンピュータの歴史,計算の基礎理論,そして様々なコンピュータアーキテクチャを取り上げ,集積回路技術の進歩と共にコンピュータがどのような発展をしたか体系的に紹介する.(担当幹事長:岡田謙一)
富士写真フィルムで開発された我が国最初のコンピュータFUJIC
(1編4章4-1 より)
DNA分子の自己組織化
(2編7章7-4 より)
セグメント化配線構造の例(Xilinx社XC4000シリーズ)
(5編6章6-1 より)